過払い請求とは

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過払いとは

「過払い金」とは、払いすぎた利息(15%~20%の利率以上)が借入金の返済額を超えて逆に業者からお金を回収できる権利です。法律上、支払う必要のなかった「払い過ぎていた利息」のことです。

次のような場合は、「過払い金」が発生している可能性があります。

  • 借入期間が7年を超えている場合(借り換前も含む。)
  • 借入額が高額の場合
  • 借入利率が高利の場合
  • 昭和や平成初期の時代から借りている場合
  • 既に完済している場合

「過払い金」の回収方法~交渉か訴訟

「過払い金」が発生している場合、司法書士は業者と交渉してその返還を求めます。「過払い金」の返還について、業者がこれを拒む場合は、「過 払い金返還請求訴訟」を提訴して、「過払い金」の返還を実現します。

「過払い金」を交渉で取り戻すか訴訟で取り戻すかは、依頼者が「過払い金」について早 期返還を求める希望と、「過払い金」を出来るだけ多く取り戻す希望のどちらの希望が強いかに対して司法書士が誠実に耳を傾け、依頼者の希望を最優先できる方 法を選択します。

「過払い金」の回収の証拠~記憶だけでも十分です。「過払い金」の回収の証拠としては、出来るだけ古い時期の借入契約書や領収書、振込書控、明細書、通帳などが揃っているのが好ましいです が、そのような証拠がない場合でも、借入や返済に関する記憶に基づいて、「過払い金」の返還交渉や「過払い金」の返還訴訟を提訴することも可能です。

「過払い金」の生じる理由

貸金業者(商工ファンド等も含む。)は、利息制限法所定の利率(15%から20%)で貸付をしなければなりませんが、実際はこれ以上の高利 (例えば29%~36%)で貸付をしていました。

この差額利息が本来の貸付金の返済にあてられても、まだ払いすぎたお金がある場合にそのお金の返還を求め る権利が「過払い金」と呼ばれます。「過払い金」は借入期間が長いほど、貸付利率が高いほど、借入金額が高いほど発生しやすくなります。

過払い請求とは

多くの金融業者は利息制限法を超え出資法の上限の範囲(29.2%以内)で融資しています。この利息制限法と出資法の間をいわゆるグレーゾーンといいます。利息制限法には罰則がなく出資法の定めに違反すると罰則がありますので多くの金融業者は利息制限法を超過し出資法の上限の範囲でお金を貸し出しているわけです。

例えば、貸金業者から年利28%で50万円を借りて1ヶ月後に2万円を支払ったとき、約定の利率28%で計算するのと、利息制限法の上限利率である年利18%で計算するので、毎月どのくらいの差が出るでしょうか。

利息28%のとき1ヶ月にかかる利息50万円×28%÷12ヶ月=1万1,666円 - A
利息18%のとき1ヶ月にかかる利息50万円×18%÷12ヶ月=7,500円 - B
AとBの差額1万1,666円 -7,500円=4,166円

このように、1ヶ月で4,166円の差があります。
利息制限法による引き直し計算をすれば、この差額は元本を支払ったものとされます。つまり、1ヶ月で4,166円借入残高が減ることになります。

貸金業者に罰則はないとはいえ民法上利息制限法を超過する部分は無効となりますのでこの超過した金額を元本に充当させることにより過払いが発生し貸金業者に過払いの返還を請求することができます。

取引が長期間に渡り、払いすぎの利息が高額になる場合は、元金がなくなるだけでなく、 払い過ぎたお金が取り戻せることもあります。「借り過ぎ」と自分を責める前に「払い過ぎ」を見直してみませんか?すでに払い終わった借金からでも取り戻せる可能性があります。

グレーゾーン金利の廃止ってなに?

利息制限法を超えるが出資法には違反しない範囲の利息をグレーゾーン金利といいます。

グレーゾーン金利とは、利息制限法の規定する制限利率(年15%〜20%)を越えるが、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下、 出資法といいます。)の規定する上限金利(現在、年29.2%)を越えない範囲の金利をいいます。この範囲の金利は、刑事罰の対象にはなりませんが、民事 上無効であり、たとえ支払ってしまっても返還請求が可能なものです。
(但し、「みなし弁済」の規程があり、一定の要件を満たせばグレーゾーン金利の支払が有効とみなされる余地がありますが、判例上、要件はきわめて厳格に解釈されており、現在では、有効とみなされる余地は皆無と言って良い状態です。)

消費者金融やカード会社のほとんどは、このグレーゾーン金利で営業を続けてきました。グレーゾーン金利は、生活者を保護する利息制限法の制限利率を超え る高金利です。生活のためにこの高金利でお金を借りてしまうとすぐに返済が困難となり、返済のために何社からも借入をして多重債務に陥ってしまいがちで、 現在、全国で200万人以上の多重債務者が苦しい生活を強いられている状況です。

この事態を解決するためには、多重債務に陥る根本的な原因である高金利の引き下げが必要であるとの認識のもと、平成18年に、市民の高金利引き下げ要求 が国を動かし、金利を規制している出資法などの改正が行われました。

その結果、法律の公布(平成18年12月20日)から概ね3年後に貸金業法の「みなし 弁済」規程は廃止され、出資法の上限金利は、引き下げられることになりました。出資法の上限金利は20%になり、これを越える金利で業として貸付けを行え ば刑事罰の対象となり、15%から18%を越える場合には、行政処分の対象となります。高金利を許してきたグレーゾーン金利が廃止されることになったのです。

グレーゾーン金利

消費者金融などでお金を借りた場合、金銭消費貸借契約においては、原則として貸主、借主の間で自由に利率を定めることができます(約定利息)が、「利息制限法」により上限が定められており、その上限を超える利息分については無効とされます。

借りたお金が 10 万円未満の場合 年 20 %
借りたお金が 10 万円以上 100 万円未満の場合 年 18 %
借りたお金が 100 万円以上の場合 年 15 %
と、決まっていて、これを超える部分は無効となります。

しかし、現実には、出資法 5 条 2 項所定の年 29.2 %を超えない限り、刑事罰には問われないことから、この出資法に依る利息を求めてくる金融業者がたくさんいます。
このように利息制限法を超えるが出資法には違反しない範囲の利息をグレーゾーン金利といいます。

過払い金のメリット・デメリット

  • 過払い金のメリット
  • 借金の返済ではなく、金銭の取り戻しである。
  • 司法書士に依頼することで取り立てが止まる。
  • 借入業者の一部だけを選ぶことができる。
  • 手元にお金を残すことができる。

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